今回は、2025年6月からかけはしで大切に育ててきた「大豆」をめぐるプロジェクトの全記録をお届けします!

もじゃくんの大豆リアル日記「絶望からの奇跡」:2025年6月~2026年1月
実はこの大豆、代表の「もじゃくん」が何度も挫折しそうになりながら、必死に守り抜いたものでした。その奮闘の様子をご覧ください。
6月:希望の種まき
こどもたちと「ぐんぐん育ってね!」と願いを込めて300粒の種を蒔きました。
7月:カメムシとの死闘
無農薬ゆえにカメムシが大量発生。もじゃくんは指がソーセージ色になるまで、一匹ずつ手で駆除し続けました。
8月:水不足のピンチ
記録的な空梅雨。500Lのタンクを軽トラに積み、必死に水を運びました。
10月〜11月:最悪の事態
ようやく実ったさやを開けると、中にはイモムシが……。「もうダメだ」ともじゃくん、完全撤退を覚悟します。
1月:奇跡の大豆が誕生!
諦め半分で畑に向かうと、そこには力強く実り、こぼれ落ちた大豆たちが……!
「こどもたちと一緒に、大豆で何か活動をしたい!一粒でも多く収穫するぞ」と意気込みました。
20名の仲間と賑やかな収穫&脱穀タイム:2026年1月
収穫と脱穀作業は予想以上に大変!!
もじゃくんの「助けて!」という切実な呼びかけに、こども、保護者、ボランティアさんなど約20名が駆けつけてくれました。
枯れた枝や落ちた豆をかき集めビニール袋に詰めて収穫。収穫している畑の隣では、ビニールシートを敷いて、収穫した大豆を竹の棒で叩いて実を取り出す「脱穀」作業が行われました。
「うわあ、いっぱい出てきた!」
パチンとはじける大豆に、こどもたちの目はキラキラ。棒を振るリズムに合わせて笑顔が広がり、歌が聞こえてきました。作業というよりは、まるでお祭りのような楽しい交流の場になりました。

収穫の様子。大豆が含まれていそうな枝や土ごとごみ袋に詰めました

「どうすればいい?」失敗から生まれた生きた知恵:2026年1月
収穫の後は、土やさやを取り除く「選別」作業です。最初は一粒ずつ手で分けていましたが、あまりの効率の悪さに、一人の子が立ち上がりました。
「ふるいがないなら作るよ。このままだとなかなか進まないし!」
そこから始まった、即席のふるい作り。
りんごのネットを網として利用したり、紙皿に穴を空けてみたり、「あーだこーだ」と言い合いながら試行錯誤する時間は、何にも代えがたい「生きた知恵」を学ぶひとときでした。(※結局、最後はホームセンターで本物を購入。文明の利器の凄さに全員で感動しました!笑)
選別した大豆は、状態に合わせて大切に使い分けます。
3番手: 節分の「豆まき」用
2番手:何かしら加工できるか検討中
1番手: 納豆や味噌にするための加工用
脱穀の現場で「そのまま食べたい!」と言った子もいましたが、ボランティアさんの「お腹壊すから調理してからね」という言葉通り、最高の形でお腹に届ける準備が進みました。

ふるいを作れないか試行錯誤中



ボランティアさんは居場所の活動中も大豆を選別してくれました
豆で鬼を追いはらった節分:2026年2月
自分たちで選り分けた3番手の豆は、鬼に向かって勢いよく投げられました。鬼のもじゃもじゃの髪には豆がどんどん絡まり、あっという間に鳥の巣のような姿に。
かけはしには3日間、毎日鬼がやってきました。その“3日間の襲来”にも十分に立ち向かえるほどたくさんの大豆を収穫できたことがとても心強く感じられました。

大豆から逃げる鬼

大豆から逃げる鬼。怖すぎ‼(笑)
伝統の味を仕込む「8kgの大豆が16kgの味噌」へ:2026年3月
3月上旬、いよいよ味噌づくりの日がやってきました。
今回伴走してくださったのは、フードコーディネーターの斉藤広美さん。「かけカフェ」のランチやピザ教室など、いつも温かく「かけはし」を支えてくださっている心強い味方です。
作業は、茹で上がった大豆を潰すところからスタート!
「大豆がなめらかになってきた!」
「いい香りがするね」
麺棒や手を使って丁寧に潰し、塩と麹、そして煮汁を混ぜ合わせます。「おいしくなあれ」と願いを込めながら、容器の隙間を埋めるように詰めていきました。
半年後どんな深い味わいに育っているか、今から楽しみでなりません。
横浜市神奈川区の「中村五郎商店」さんにお願いしていた“かけはし大豆の納豆”が完成し、この日に希望したこどもたちの元へ渡りました。その場で包みを開けてパクり!と思わず笑顔がこぼれる瞬間は、何物にも代えがたい「食の喜び」そのものでした。
フードコーディネーターの斉藤さんや、地元の納豆屋の中村五郎商店さん。地域の専門家が応援してくださるおかげで、かけはしは「地域に開かれた学びの拠点」になっています。

広美さんに教わりながら、大豆を丁寧に潰しました

おいしくなるように、混ぜて混ぜて……

手でしっかりと押さえつけて、空気が入らないようにしました

広美さんが味噌づくりの後に超素敵な紙芝居を読んでくださいました

育てた大豆をこどもたちが直接中村さんに手渡しに行きました

大豆の味が濃厚な大粒の納豆
一粒の種から広がる「つながり」
最初はたった300粒の種でした。それが多くの人の手を経て、たくさんの笑い声とともに、大きな鍋いっぱいの味噌へと生まれ変わりました。
手作業で一粒ずつ選り分けた時間も、失敗したふるい作りも、すべてがこの味噌の中に溶け込んでいます。
「自分たちで作れるんだ」という自信と、支えてくれるボランティアさんや地域の方々への感謝を胸に、これからもかけはしはワクワクする体験を積み重ねていきます。
完成した味噌で、みんなで「おめでとう」の味を分かち合える日まで、もう少し。こどもたちと大豆の長い長い旅は今も続いています。
写真・文=松本 裕美枝(かけはしライター)
