​​TSUBAKI食堂の枝吉(えだよし)シェフが、10月の「ハンバーグをつくろう」に引き続き、今月もかけはしに来てぎょうざのつくり方を教えてくださいました。枝吉シェフ、本当にありがとうございます。

枝吉シェフのデモンストレーションを見るこどもたち
キャベツを刻む枝吉シェフ。こどもたちは真剣に話を聞きました
肉だねを混ぜています。楽しくて笑顔がこぼれました
皮で肉だねを丁寧に包みました
ぎょうざとぎょうざがくっつかないように慎重に並べます
「とってもおいしい」と、こどもたちはにっこり

夢中でつくるぎょうざ

この日にぎょうざをつくってみたいと集まったのは13名のこどもたち。キャベツぎょうざと白菜ぎょうざの2種類をつくりました。

デモンストレーションで白菜を刻む枝吉さんの手元をのぞき込み、皮で肉だねを包む指先をじっと見つめ、手順を聞き逃さないように真剣に耳を傾けるこどもたちの姿がありました。

調理をはじめると
「枝吉さんのように、もっと細かく刻んだ方がいいよね」
「次は、塩を入れて白菜の水分を出そう」
「ひき肉にお酒を入れると肉だねが緩くなるらしいけど、こんな緩さでいいの?」
「皮はすぐに乾いてしまうから、サランラップをかけておこう」
声をかけ合いながら、枝吉さんの教えを実践していました。協力しながら進める姿は、とても頼もしかったです。

​今回使用したぎょうざの皮は薄く、破かずに包むのが難しかったのですが、こどもたちは丁寧に、上手に包みきりました!

​そして、いよいよ焼きの工程へ。
ジュージューと焼ける音でできあがりを判断する子、焼き加減の確認に枝吉シェフのもとへ駆け寄る子も。

​居場所全体に香ばしいぎょうざのいい匂いが漂い、空腹はピークに!

焼き上がった順に、熱々のぎょうざを「おいしい!」と頬張るこどもたちの顔は、幸せいっぱいの笑顔でした。

​大人の間では「ぎょうざは冷凍を買うことが多い」という話もありましたが、やはり自分で手をかけてつくったぎょうざは格別だったことでしょう。

​私たちかけはしスタッフだけでは、こどもたち一人ひとりの“願いや思い”に寄り添いながら、いくつもの工程が必要な調理をこどもたちが体験することは難しいです。このような体験できたのは、枝吉シェフのご協力のおかげです。重ねて心よりお礼申し上げます。ありがとうございました!

こどもたちの姿から感じること


つくって食べるイベントは、かけはしで特に人気のある活動です。スタッフやボランティアさんが温かく見守る中で、こどもたち一人ひとりが自由に取り組めることが、人気の理由となっています。今回も、地域のボランティアさんにもお力添えをいただきました。

不安があり、調理になかなか参加できない子がいても、その子にとって安心できる場を整え、じっくりと寄り添いながら、その子が「やりたい」と自分自身で思うまで、スタッフは待ち続けます。その日その時々の、こどもたちの気持ちの変化や心の状態も受け止めながら、その子の不安を安心へと繋げていけるように、対話を続けます。そして、その子のタイミングで、「やる!」と動き出したときに、スタッフも一緒にその子と活動します。「作って食べよう」の活動の中でも、「伴走する」というスタッフの姿勢が貫かれています。

「かけはしの活動に講師を招く」ことも、こどもたちにとってのチャレンジでした!いつもと少し違う緊張感が生まれ、場の空気も新鮮に感じられました。

活動の中で、講師の方と直接関わったことや、「よくできている」と認めてもらえたこと、しっかり話を聞けたこと、そしてできなかったことに挑戦してできるようになったことなどが、こどもたちの自信につながっているように思います。

「プロの人から教わった」「楽しかった」「またやりたい」ーーそんな気持ちが次のやりたいにつながっています。


写真・文=松本 裕美枝