かけはしでは、2024年4月から新しく常設の居場所ができました。今までの3年間は地域のご厚意で、地域ケアプラザ、コミュニティハウス、地区センター、図書館などさまざまな公共施設を使わせていただきました。新しい常設の居場所は、相鉄いずみ野線いずみ野駅から徒歩5分のスーパーの跡地です。今回はこどもたちと共に取り組んだDIYや、リフォーム、開所式についてお伝えしたいと思います。
DIY一日目~ペンキ塗り~
3月17日(土)に2024年度から使う居場所の壁のペンキ塗りをしました。大人とこどもを合わせて25名くらいの方が参加。壁のほこりを拭き落とした後、すぐにペンキを塗り始めました。こどもたちは「リアルスプラトゥーンだね!」と言いながら次々と壁を塗っていきました。「こんなにたくさん塗ったよ」「塗りムラがないように仕上げたんだ」とっても楽しそう!気づくとペンキが顔にはねたり、洋服についたりしていました。
塗り終わったあとは、新しい居場所の全体を見て回りました。大きい部屋に入って自然と走り出すこどもたち。来年度に向けて、楽しみな気持ちがふくらんだように感じました。
DIY二日目~ペンキ塗りと花の植え替え~
3月30日(土)は、いずみ野に居場所を移して初めてつながった地域の方が、ボランティアに来てくださいました。大人21名、こども9名、総勢30名でペンキを塗り、花を植えました。初夏の陽気の中、気持ちよく活動でき、大満足の一日でした。
この日の活動を振り返ってある子は「かけはしでまたこうして貴重な経験をさせていただきありがとうございました。これからも、じゃんじゃん貴重な体験ができるといいです」と周りの人に感謝を伝えていました。
また、あるボランティアさんは「これだけたくさん集まると、よく進むなあと思いました。それだけみんなかけはしのこと気にかけてくれているんだなと(涙をふくまねして、周りのみんなで笑う)。うれしいなぁ」と喜びの声を聞かせてくれました。
後日、ある子が外壁の塗装の仕上がりを確認していました。「僕が塗った壁。きれいになった」と満足そうに眺め、微笑んでいました。
床につや出しオイルを塗りました
リフォーム業者さんに依頼し、タイル張りだった床は、静岡県の杉を使った温かみのある床に変わりました。床を美しく保つために4月13日(土)は杉の床につや出しのオイルを塗りました。もくもくと塗る子、オイルを塗りながら楽しそうにおしゃべりする子、木の床が嬉しくて駆け回っている子もいました。
新しい居場所の開所式
新しい居場所がオープンした4月22日(月)、お祝いセレモニー「開所式」がありました。お越しいただいた来賓の方々はかけはしを日頃応援してくださっている学校関係者、企業、行政、地域の方などで、たくさんの方に支えていただいて居場所が成り立っていることを実感しました。セレモニーの司会を任されたある子は「このような場所をかけはしが使えるようになって、とても嬉しく感じています。みなさま本当にありがとうございます」と深々と頭をさげていました。
来賓の方のご挨拶では、「こどもたちが元気よく過ごせるように」「新しい居場所を楽しんでください」とエールをいただきました。かけはしを支えてくださっている方々のこどもたちを温かく見守る視線や高い志を垣間見ることができ、胸が熱くなりました。
もじゃくん(代表:廣瀬)は「この新しい居場所での1日1日を楽しくて嬉しい1日にできれば、きっとこどもたちはすくすくと育ってくれます。みなさまがかけはしを応援し、まごころこめてリフォームしてくださったおかげで、こんなに心地よい居場所ができました。みなさまのおかげでここまでこれました。こどもたちに寄り添い、この居場所を続けられるよう今後も全力で走り続けます」とかけはし4年目の意気込みを伝えました。
開所式のあった日の午後から通常通りの居場所が始まりました。心地よい杉の床でスライディングする子、床に座ってゲームをする子、新しい友達と遊んでみる子。居場所からは、新しいスタートを楽しみにしているようなエネルギッシュな雰囲気を感じました。
今、スタッフがこどもたちに、一人ひとりのやりたいことを聞いてまわっています。「ジャムを作りたい」「果物を使った料理がしたい」「ドッチボールをやりたい」「同い年の友だちがもっと欲しい」「運動をしたい」居場所で笑顔を見せてくれる子が多く、やってみたいことに溢れています。
写真・文=松本 裕美枝(かけはしライター)