下和泉地区センターの調理室で、今年最初に行ったクッキングは「おもちクッキング」。おもちを使っていれば、何をつくっても自由なクッキングです。このクッキングのきっかけは、昨年の天王森泉公園での米作り体験からでした。田植え、稲刈り、最後にお餅つきの体験をして自分たちが作ったお米を食べたいという思いを思った子がいました。しかし、天王森のお餅つきは大盛況で売切れになってしまい、残念ながら食べられなかった子もいました。その子の思いを聞き、かけはしでもお餅を食べる企画をしようとスタッフで話し合い、今回のおもちクッキングが開催されました。 早速つくり始めたこどもたちのメニューは、ホットケーキとフレンチトースト。調理室には、甘い生地を焼くバターのいい香りが漂いました。
クッキングを楽しみにしていたある子は、おもちを使って何をつくるかを事前にスタッフと相談していました。インターネットで調べてみると、今まで試したことがないレシピがたくさん!その中から「おもち入りホットケーキ」に決めました。牛乳とおもちをレンジで温め、混ぜて、ホットケーキミックスと合わせます。 中学生のある子は、おもちのフレンチトースト。スマホを見ながら手際よくつくっていきます。「私もフレンチトーストをつくりたい」と隣で調理をし始めたボランティアさんに、その子は手順を教えてあげていました。
たくさん出来あがった料理は、友達やスタッフ・ボランティアさんにおすそ分けされました。バターの香りと美味しいおもち料理に誘われて、あとから2人の子が調理室に来ました。ある子はボランティアさんの「きなこもちが好き」という言葉に応えて、きなこもちを調理しました。つくってもらえるとは思っていなかったボランティアさんは、「うまい!うまい!」と言いながらぺろりと食べ、それを見た子はもう一度調理し、ボランティアさんをお腹いっぱいにさせてくれました。 もう一人の子はもともと磯部餅をつくるつもりでいましたが、その日に食べたくなったのは「もちピザ」。その場にある材料のなかから、トマトケチャップとチーズ、トッピングにツナ缶とえのきを選びました。 もちピザができあがる工程を隣で見ていた子は「私もあれをつくりたい」と2品目に取りかかりました。この日は4人のこどもたちが「おもちクッキング」にチャレンジしました。
こどもたちは集中して調理していました。そしてとても楽しそうでした。この自由度の高いクッキングは、困ったときに必ず相談にのってくれるボランティアさんがそばにいることが、大きな安心感になっていると思います。ボランティアさんは「こんなおもち料理があるなんて知らなかった。また、忘れないうちに家でつくろうと思う」と話していました。調理歴の長いボランティアさんとこどもたちは対等な関係です。こどもたちは大人が思っているよりもずっとできることがたくさんあると感じたおもちクッキングでした!まだまだクッキングイベントは続く予定です。楽しみです。
写真・文=松本 裕美枝(かけはしライター)