まなべるいばしょに来ていたこどもたちは教室での活動を一旦終わらせ、焼き芋パーティーが行われる畑に向かいました。
畑に向かう途中、青空にもくもくと立ち上がる煙から、薪の香りがしました。「美味しい焼き芋が食べられるかも」と期待が膨らみ、足早に畑へ向かうこどもたち。地域の方々の協力のもと開催された焼き芋パーティーでは、お腹いっぱい食べて幸せな笑顔があふれていました。
地域の方と一緒に取り組んだ焼き芋作り
この焼き芋パーティーを支えてくれたのは、下和泉町の地域の方々です。こどもたちに焼き芋を振る舞うことを楽しみにしていてくれた滝川さん(下和泉在住)は、かまどをセッティングし、鍋も用意してくれました。2つあるうちの1つの鍋の蓋は、なんとマンホールに金属の持ち手を溶接したもの。「いろいろなところから使えそうなモノを集めてきて、準備をしたんだよ」と誇らしげに教えてくれました。
サツマイモは11月初旬にかけはしのこどもたちが収穫したものを利用。薪は、かけはしの活動の中で空き家のリフォーム工事をした時に出た木材を使いました。ものづくりに興味があるこどもたちは、率先して木材を薪のサイズにカットしてくれました。
焼き芋は、まさに”かけはしの活動の結晶”と言ってもいい料理です。
焼きあがったサツマイモは、滝川さんをはじめ集まってくれた地域の方々とこどもたち、ボランティアで一緒にいただきました。久しぶりに家族以外の人と食事を楽しんだ方が多かったようで、焼き芋の美味しさを通して会話が弾み、交流を深めることができました。こどもたちは夢中で焼き芋をほおばっていました。
美味しい焼き芋と地域の方々の温かい支援のおかげで、和やかな焼き芋パーティーになりました。
こどもの自主性を大切にしたいかけはし。こどもたちは焼き芋パーティーか、教室に残るかを選べます。
焼き芋パーティーから下和泉地域ケアプラザに戻ったこどもたちは、残りの時間を使って各々お弁当を食べたり、ゲームをしたりして過ごしました。
かけはしでは月曜日は毎週、下和泉地域ケアプラザの一室で「まなべるいばしょかけはし*」の活動が行われています。今回の焼き芋パーティーは、まなべるいばしょに来たこどもたちの中から、焼き芋パーティーに参加したいこどもたちをもじゃくん(代表廣瀬)が引率し、まなべるいばしょの教室に残りたいこどもたちはちーさん(スタッフ廣瀬)が担当しました。こどもの意思や興味関心を大切にしているかけはしだからこその体制です。私は「こどもたちに温かいまなざしが向けられている」と心を動かされました。
焼き芋を頬張ったこどもたちも、教室で思い思いに過ごしたこどもたちも、穏やかな空間を楽しんでいました。
*「まなべるいばしょかけはし」
学校に行け(か)ないこどもたちが自分らしくいられる居場所を作りたいと、かけはしが週3回程開催しているスペース。こども一人一人がその日の時間割を決め、スタッフやボランティアがその活動を支えています。
写真・文=松本 裕美枝