初挑戦の大豆栽培では、実入りが良い大豆がたくさん穫れました。かけはしではこの大豆を手作業で脱穀しています。豊作だった大豆はこんもりと大きな山になっていて「こんなにたくさんの大豆を脱穀できるのか・・・・・・」ボランティアやスタッフが不安に思う中、農業に携わる滝川さんのおかげで、手際よく脱穀することができました。
脱穀作業を終えて、焚き火を囲むこどもたち
大豆が豊作だったため、脱穀作業は時間がかかっていました。今回で3回目です。かけはしの活動を支えてくれている滝川さんは「明日が雨なので、今日中に畑から大豆を引き上げたい」と作業目標を設定してくれました。
あまり時間がない中、どのようにすれば効率よく脱穀ができるのでしょうか。滝川さんが脱穀の方法を教えてくれました。
- まず、かたい板の上に大豆のさやを山盛りに乗せます。さやの山を目がけ、木の棒で叩いてさやを壊し、大豆がこぼれ落ちるようにします。
- 次に、目の粗いふるいにかけて豆を落とすことで、大きなさややゴミを取り除きます。
- その後、今度は大豆より目が小さいふるいにかけます。そうすることで、土や細かいゴミが取り除かれます。
- (しかし、それでも不純物をすべて取り除くことはできません)最後には大豆ひとつひとつを目で見て、選り分けます。
作業工程2の様子。ふるい落とされた大豆の乾いた音が、畑に心地よく響きました
ふるいを貸しあったり、声をかけ合うことでチームワークが生まれていました。さやの山がなくなった時には、にわかに歓声があがりました。1時間半の作業を終えて、手先や足先は冷え切っています。滝川さんをはじめ地域の方々がおこしてくれた焚き火に、自然とこどもたちが集まり、温まる場面がとても印象的でした。
作業をしながらの交流は心地の良いものでした。「この大豆をどうやって食べるの?」というこどもの質問から、来年予定している味噌づくりの話になり、その工程や豆の選別の重要さについての会話が生まれました。大豆の選別にも力が入ります。
こどもが大豆の中からイモムシを見つけて「イモムシは苦手だけど、バッタなら触れる」と話し始めた場面もありました。ボランティアさんは「私は虫全般が苦手、バッタも触れない。○○ちゃん、他にも触れる虫はある?」と自然な会話が生まれていました。
ゴミや殻が混じっている大豆を選り分ける作業(上記作業工程の4)は、後日教室内でも行われました。大豆の選別は単調な作業であるためこどもたちは飽きてしまい、次第に別の取り組みをはじめましたが、やり残しを保護者とボランティアが楽しくおしゃべりしながら担いました。
大豆の選別を教室内で行ったこの日の天候は雨、気温は10℃。悪天候にも関わらず、たくさんのこどもたちがかけはしの教室に足を運んでいました。
写真・文=松本 裕美枝(かけはしライター)